こんにちは、カメラマンhayatobellです。学校写真を10年ほど撮影しております。
今回は、パラバルーンの撮り方です。幼稚園や保育園の定番の演技です。初めて見たのは、子どもの運動会のときでしたが、「こんなすごいことができるんだ！」って感動したことを覚えています。
幼稚園児や保育園児の小さな子供たちが、迫力あるバラエティーに富んだ演技を、元気よく行う姿は、親の立場で見ると感動！以外にはないんじゃないかな、と個人的には思います。
カメラマンの視点で見ると、どう撮っていいのか迷うところですが、いくつかポイントを抑えれば撮りやすくなります。今回はそのポイントについてシェアします。
カメラ設定
- 撮影モード：シャッター優先 or マニュアル（キャノンならTvかM）
- 絞り：F6.3～F8くらい
- シャッタースピード：1/500~1/1000くらい
- ISO感度：～1600くらいまで
- WB：オート or 太陽光
- AFモード：サーボ（キャノンならAIサーボ）
- 記録画質：JPEG M
- ストロボ：状況による
まずは、レンズですが、私の場合はAPS-Cカメラに便利ズーム（18-135mm）を付けて撮影します。理由としては、標準から望遠まで短時間で使い分ける必要があって、さらに立ったり座ったり移動したりが多く、カメラ２台もちは邪魔になってしまうからです。特に小さい子どもの撮影の場合、カメラ２台もちをして、園児さんにぶつかってしまう懸念点があります。フルサイズで２台のカメラに標準レンズと望遠レンズを付けた方が綺麗な写真をとることができますが、子どもの撮影の場合は安全性や瞬時に使い分けてできるだけ多くのバリエーションを撮ることの方が大切な場合があります。
撮影モードは、屋外ならシャッター優先です。1/500以上にはしたいです。ストロボを使う場合には同期速度に収めることも考えますが、1/200とかだとぶれます。絞りがF6.3よりも小さくならないように注意しましょう。隣の子どもとの距離が出てしまうので、できればF8以上にはしたいところです。
体育館などの屋内なら、マニュアルで撮影することが多いです。この際、上記のシャッタースピードと絞りが確保できて、バックが暗く落ちないISO感度にしましょう。ただし、あまり上げすぎると画質が落ちるので、1/1600くらいまでに収められると良いです。念のため、納品できる品質を担保できるISO感度を確認しておきましょう。
ホワイトバランス（WB）は、オーともしくは太陽光です。体育館なら、マニュアルで設定しておいたほうがいいかも知れませんが、角度や外光の状況によっては変わってくる場合があります。こんな時は、状況に応じて変更するか、オートで撮影、もしくは様々な設定の中間点で撮っておいて、あとのレタッチで補正できる範囲に収めることも考慮します。
AFモードはサーボです。運動会のデフォルトです。測距点は、小さめのエリアで、状況に応じて場所を使い分けるのが撮りやすいと思います。
記録画質は、Lサイズプリントを想定しているならJPEG MもしくはSサイズです。
ストロボは、屋外の撮影では使いません。ただし、順光や逆光で明るさが全然違ったり、帽子の影などで子ども顔が見えなそうだら、露出補正やストロボを使います。ストロボを使う場合には事前にバッテリーを交換しておいて、光陵不足に注意しましょう。連続発行しますので、かなりストロボに負荷をかけます。
体育館など屋内の撮影では、ストロボを使います。その際も上記のことに気を付けましょう。
事前準備
- 入場・退場の導線
- パラバルーン以外の演技
- バルーンの数
- 最後の決めポーズ
入場や退場のシーンの撮影は必須でない場合もありますが、私のは余裕があれば撮るようにしています。園児さんの数が多い場合、全員を撮りきるのは難しいので、入退場で撮るようにしています。
パラバルーンの前にダンスなどを行う場合もあります。その場合、どんなダンスを、どんなフォーメーションで行うのか確認しておきましょう。パラバルーンだけだと保護者席の反対側で撮ることができますが、ダンスの場合は保護者席が正面になります。どの位置から撮影するのか（できるのか）確認しておきましょう。曲は2020年だとパプリカが多いかも知れませんが、ディズニー、嵐、ゆずなどの曲を使う場合もあります。
パラバルーンの数も重要です。カメラマンが複数いれば、どのバルーンを撮影するの分担したり、各々がどの位置から撮影するのか決めておきましょう。
演技の最後で、決めポーズをする場合があります。この時は、観客席に向けて行います。可能ならそのタイミングまでに観客席に向かいましょう。ただし、親御さんの邪魔になってはいけないので、最悪どの位置なら撮れるのか確認しておくと良いでしょう。
撮り方（寄り）
実際の写真をお見せできればよかったのですが・・・子供の写真はなかなか難しいです。すみません。
寄りの写真は、バルーンの端を持ってグルグルとまわります。園児さんが歩いてくる姿を、上記のような感じで写真をとります。カメラマンは児童さんが正面から狙える位置に座って撮影します。途中で逆向きになるので、それに合わせて向きを変えます。
このとき、途中に先生が入るとフレーミングが大きく変わるので注意しましょう。子どもの中に大人が入ると、首から上が切れてしまうなど、あまり見栄えが良くない写真になってしまいます。そうならないためにも、正面の子どもだけでなく、全体の流れを把握しながら撮影をしましょう。
また、一人で複数のバルーンを撮影する場合は、他のバルーンもバランスよく撮影します。
上記以外も寄れるタイミングがあれば、寄って撮影します。寄りの撮影は親御さんからは撮影できないので、カメラマンは頑張って撮影しましょう。
撮り方（引き）
引きの写真は、パラバルーン全体を撮るときです。上のイラストのような体制の時などは、バルーン全体の写真をとります。
他にも、児童さん全員がバルーンの中に入った時などは、全景を撮ります。望遠レンズだと撮れませんので、標準レンズで自分も引きます。この時、観客席側に引くと、親御さんの邪魔になってしまいますので、観客席と逆側に引きます。
余裕があれば、絞りがF11など絞り込んで全体にピントが合うようにしましょう。場合によっては、座って低い位置から撮影することで、迫力のある写真が撮れます。
ロケットや花火などの技を使う場合もあります。ちょっと引いた状態で、シャッタースピードも早めにしておきましょう。
撮り方（望遠）
子どもの撮影の基本は、顔が見えるようにすることです。顔が見えないと、販売用に写真を並べても自分のお子さんを見つけてもらえないですからね。
パラバルーンの中では、全員が内側を向いて、バルーンを持って演技する部分があります。この時、カメラマンは対角線上にある児童さんを撮影します。距離が近ければ複数まとめて、離れていればピンで撮影します。
大三元の望遠レンズを使うと綺麗に写せるタイミングですが、忙しい中で使い分けるのは上記のようにかなり大変です。
気を付けることは、角度（順光、逆光、日向、日陰）によって明るさが全く違うので、必要に応じて設定を変えながら撮影しましょう。慣れていなければ、日向だけ、日陰だけを撮るなどします。
注意事項
- 進行の確認
- まんべんなく撮る
- カメラマンの動き
- カメラの準備
進行を確認しておきます。入場や退場の場所や導線。パラバルーンの前にダンスをするのか？最後に決めポーズがあるのか？など写真に関係ある部分は確認しておきましょう。
子どもたちをまんべんなく撮影することも大切です。実際問題として、全ての子どもたちを撮影するのは、不可能に近いですが、努力を見せることは大切だと思います。
まんべんなく撮るからと言って、カメラマンの動きが多すぎると、観客の父兄の方の邪魔になってしまいます。無駄な動きをせずに、まんべんなく撮影できるかが腕の見せ所だと思います。
上記でも書いたとおり、パラバルーンではカメラ一台で撮影するのがいいです。そうなると、何かあってもカメラを交換することができません。バッテリーの状況など撮影前に確認して、可能なら新しいものに交換しておきましょう。
最後に
いかがでしたか？最初にパラバルーンを見たときは、どうやって撮影したら良いのか迷いました。でもよく見ると、いくつかの基本パターンの組み合わせになっています。
幼稚園や保育園によって、曲は違ってきますが、基本的な動作はそんなに変わりません。違う動作があっても、ある程度は予測できます。見せ場の前では、先生方の動きも違って来たりしますので。
親御さんにとっても、「うちの子、ずいぶん成長したな~」と思う瞬間でもあると思います。カメラマンとしても、いい思い出をたくさん残せると嬉しいです。
