合唱コンクール

こんにちは、カメラマンのhayatobellです。学校写真を10年ほどやっております。

今回は、私から見た学校写真(スクールフォト)のメリット(好きなところ)、デメリット(嫌いなところ)を暴露します。カメラマンや学校写真に興味がある方、ぜひ見てみてください。

ずっと書きたいと思っていたけど、これを書いちゃうと終わりかも!?と勝手に思っていたこともありましたが、ぶちまけちゃいます。

学校写真のメリット(好きなところ)

制服の生徒
  • 参入障壁が低い
  • ギャラがきちんと振り込まれる
  • 感謝される
  • 子どもたちの笑顔が最高!
  • 子ども時代のトラウマを癒せる
  • 色々試せる

参入障壁が低いです。誰でもと言っては言い過ぎですが、ちょっと写真が上手くらいでも始められる仕事もあります。私の場合、写真が趣味で、子どものミニバスケットボールの試合などを撮影していました。そこでの親繋がりで、学校写真の仕事を紹介してもらいました。

もちろん、学校写真にもそれなりのスキルが必要な仕事があって、何でもできるわけではありません。でも、フラグシップやフルサイズカメラ、高価なレンズがなくても始められます。ストロボはフラグシップが必要ですが、機材やスキルに関する参入障壁は低いです。ただ、参入障壁が低いからと言って、そのままのスキルでは仕事はもらえなくなってしまいます。参入した後に、一生懸命努力してスキルを磨いて、必要な機材をそろえることは必要になります。

ギャラがきちんと振り込まれることも魅力です。業者にもよりますが、撮影のギャラは翌月には振り込まれる、もしくは現金渡しをしてくれるところが多いです。私のところでは、交通費や経費もきちんと出してくれています。特別な場合を除いて、車で行くこともできます。

感謝されることが多いです。学校の先生、親御さん、生徒(児童)さん、特に子どもたちからは感謝の手紙やプレゼントをもらったり、修学旅行先では一緒に写真を撮って、後々プレゼントで頂くこともあります。学校で写真を撮るのは、大切なイベントのことも多く、そこに参加させて頂くことによる喜びも大きいです。

子どもたちの笑顔が最高!子どもたちの純粋で駆け引きのない、自然にでた表情を撮れたときの喜びははかり知れません。大人の方では、なかなかこういった表情を撮るのは難しいと思います。

私の場合、子ども時代のトラウマを癒せることが大きいです。実は学生時代は学校が大嫌いで、先生も大嫌いでした。そんな私が母校の撮影で修学旅行に同行することになりました。生徒さんはみな素直で、のびのびとしています。先生と生徒の関係も良好で、どちらも楽しそうでしたが、守るべきところはしっかりとしています。これを見て、私が学生時代に見ていた母校は、かなり色眼鏡で見ていて、意外と良い学校だったのかも!?と思うようになりました。先生に対しても、色々な先生と接していくうちに、本当に生徒さんのことを考えている先生の様子を拝見して、味方が変わってきました。

それと同時に、学校に対するイメージも変わってきて、応援したい気持ちに変わってきました。その状態から写真撮影をさせて頂くので、ひょっとしたらいい写真が撮れるようになってきたのかも知れません。

色々試せることも魅力です。これは上記の続きになりますが、学校写真、特にスナップでは撮り方など、細かい要求はなく、ある程度はこちらの意向に沿って撮影できます。生徒さんにたくさん声掛けして「ピース!」の写真を集めてもいいし、ジャンプ!など動きのある写真を集めてもOK!一生懸命に何かを取り組んでいる姿や、友達と楽しくおしゃべりしている姿を撮ってもOKです。

私の場合、普段はおとなしい子が何かに取り組んでいる姿や親友と楽しくしている姿を撮るのが好きです。また、落ち着きがなく、いつも先生に怒られてしまうような子が、何かに一生懸命に取り組んでいる姿を撮るのも好きです。

学生時代は運動会(体育祭)が嫌いでした。なんかめんどくさいし、疲れるし、部活以外で団体で何かするのは苦手でした。でも、体育祭の写真を見直すと、子どもたちの楽しそうな姿が目に飛び込んできます。文化祭も同様です。このような瞬間を写真に残せてよかった!と思います。

学校写真のデメリット(嫌いなところ)

猫 宮ヶ瀬
  • ギャラが安い
  • 応用がきかない
  • 拘束時間が長い
  • 体力的にキツイ
  • 成果として出しにくい
  • 理不尽な扱いを受ける(ことがある)
  • 世界が狭い(閉塞感)

ギャラが安いが一番に来るところではないでしょうか。安いところだと、1日1万円で、高くても2万円くらい。運動会など特別な場合でも3万円が限度。修学旅行だと、朝6:30に新横浜に集合して、修学旅行に同行して、夜の打ち合わせを終えたら夜中の12時を回っていた・・・なんてこともあります。

学校の先生にとっては、年に一度の一大イベントですが、カメラマン(添乗員さんも一緒ですが)のような業者にとっては、この生活がずっと続きます。控えめに言って、かなり大変で、ほんとブラックです。

応用がきかないのはよく言われることです。学校写真の場合、その場面場面のカットを確実に収めることが重要視され、品質は二の次になることもあります(もちろん、品質は高い方がいいですが、一番の優先順位ではないという意味で)。ですので、何となく学校写真を撮り続けても、スキルアップをするのは難しいと思います。自分で毎回テーマを決めて、スキルを磨いていくようなことが必要になるでしょう。

ちょっとくらい失敗をしても大丈夫!?とは言いませんが、あまり注意をしてくれる環境にないこともデメリットだと思います。その分、自分で自分のスキルや仕上がりに気を付けながら、仕事を進めていくことが大切だと思います。

拘束時間が長いことが多いです。上記で書きましたが、朝6:30から夜中12時過ぎまで拘束される場合もあります。カメラマンとして行事に参加するというよりも、学校関係のスタッフとして参加するイメージがあるため、写真以外のことに時間をとられることもあります。ただ、カメラマンは体力も必要だし、目も酷使する仕事なので、睡眠時間をしっかりととることが大切です。カメラマンとしての責任を果たすためにも、このあたりをきちんと理解してくれるクライアントさんとのお付き合いが大切だと考えています。

体力的にもかなりキツイです。カメラバッグに機材を入れて、三脚を持って、山登りに出かけることもあります。この間、荷物の重さを測ってみたら17キロありました。

山登りの撮影の場合、いい場所を見つけたら、先頭から写真を撮っていきます。最後まで撮ったら、ダッシュで登って、先頭を追い越して、再びいい場所を見つけて、先ほどと同じように先頭から最後まで撮影して行きます。これを3~5回ほど繰り返します。17キロのカメラ機材を持って、ダッシュで登って、写真を撮り、またダッシュ。冬でも汗びっしょりになります。

集合写真の撮影のときにも、かなり大きな声を出します。生徒さんが全然聞いてくれなくて、先生の協力も得られない状態で、声をからしてしまい、本当に声がでなくなってしまったこともありました。子どもたちは、何で声がでないの?なんで汗びっしょりなの?ときいてきますが、こちらの苦労は分かってくれないことも多いです。

成果として出しにくいこともデメリットだと思います。学校写真の撮影で、子どもたちのものすごくいい笑顔が撮れたとしても、自分の成果として発表することはできません。これは依頼されて撮影をする商業写真全般に言えることかも知れません。学校写真の場合、被写体になっている方を見つけて許可をもらうことはまず無理です。ですから、学校写真の中でどれだけ頑張っても成果を外に見せることは難しいのが現状です。このブログでも写真が見せられないのはそのためです。すみません。

理不尽な扱いを受ける(ことがある)については、とある修学旅行の動向で、私は食事シーンの撮影をしていたのですが、その時に、なんと添乗員さんが私の食事を食べてしまいました。しかも、その後も何の謝罪もなしです。もちろん、多くの添乗員さんはとてもいい人で、このようなことはごくまれなのですが、カメラマンのことを雑に扱う添乗員さんや宿泊施設があることも事実です。カメラマン分の食事やお弁当が用意されていなかったこともよくあるケースです。

民宿などでは、子どもたちや先生には優しく接しているのですが、カメラマンにはきわめて横柄な態度をとることもあります。おそらく、お金を払っている人とそうでない人(カメラマンも宿泊費は支払っていますが)で態度を変えているのかも知れません。ただ、多くの民宿などの方は、カメラマンや業者も一緒に子どもたちを盛り上げて、良い思い出となるようにしてくれています。ときどき大外れがあることも覚悟しておいた方がいいのが学校写真のカメラマンだと思います。

世界が狭い(閉塞感)に関してが、学校の場合、通常の企業とは違って、外の世界とは遮断されていることが多いです。これは、昔、医療機器の仕事をしていたとき病院でも感じたことなのですが、校長先生や院長など組織の中で偉い人が絶対的な権力を持ちます。ですから、その人が全体のことを考えて、きちんと環境を作ってくれる方なら現場はものすごくいい感じになりますが、そうでない場合には最悪です。特に公立の学校では企業のように経営的危機になることもなく、やりたい放題になることも・・・

先生経験がない人が校長先生になっていたなんてケースもありました。私は校外学習の撮影で同行させて頂いたのですが、最悪でした。移動は路線バスを貸切だったのですが、児童さんを誘導することなく、一番先に座っていたのは校長先生。校外学習中も一人フラフラして、児童さんに注意を払う様子はなし。もちろん、子どもたちから校長先生にコミュニケーションをとることはありませんでした。あげくの果てに、校外学習の様子を撮影していたら、なぜか激怒!それなら、なぜカメラマンを呼んだんだ???って感じで他の先生も困り果てていました。一番の疑問は、子どもことが好きでもないのに、なぜ学校関係の仕事の頂点である校長先生をしているのか?同行された先生方もかなり迷惑していたようですが、校長先生がこんな感じだと、現場は最悪です。

最期に

猫 レオ

いかがでしたか?学校関係の仕事だと、何となくきれいなイメージをしてしまいそうですが、一般企業と同じようにいいことも悪いこともあります。

ただ、学校写真は参入障壁が低いこともあるので、もし、カメラマンに興味がある方は、ぜひとも始めてみるといいかと思います。

その際に必要なことは、子どもが好きで、コミュニケーションがとれることだと思います。普通に子育てをしている方なら問題ないかと思います。子どもがいないくても、親戚やいとこの世話をした経験があれば、いいかも知れません。