こんにちは、カメラマンhayatobellです。学校写真を10年ほど撮影しております。
今回は、芋掘りの撮影についてです。簡単そうに見えて、実は結構大変なのが、「おいもほり」の撮影です。例年9月、10月、11月に開催されます。ここでは、何が大変なのか?どうすればいいのか?について、解説します。また、都市部と地方での違いについても言及します。
カメラ設定
- 撮影モード:シャッター優先 or 絞り優先(キャノンならTvかAv)
- 絞り:F6.3~F8くらい
- シャッタースピード:1/200~1/250くらい
- ISO感度:~400くらいまで
- WB:オート or 太陽光
- AFモード:ワンショット(キャノンならOne shot)
- 記録画質:JPEG M
- ストロボ:オート(キャノンならE-TTLを基本に光量を調整)
撮影モードは、シャッター優先でも絞り優先でもOKですが、学校写真の場合、シャッター優先の方が安心だと思います。理由は、ブレた写真がNGなのと、ストロボを使った時の同期速度以内に収めるためです。
というわけで、シャッター優先(キャノンならTv)で話をすすめます。
シャッタースピードはストロボの同期速度ギリギリの1/200から1/250に設定します。そのときの絞りがF6.3からF8くらいになるようにISO感度を設定します。
ホワイトバランス(WB)はオート、もしくは太陽光です。
AFモードはワンショットで行います。お芋掘りをしているときや、とったお芋を持った時の撮影はこちらでOKです。畑に入る時など、動いている場合はサーボに切り替えます。
記録画質は、Lサイズプリントが前提ならJPEG MもしくはSサイズでOKです。
ストロボはオートで直あてです。状況に応じて、ストロボの光量を変更します。
芋掘りで大変なこと
- 一斉に芋を掘る
- 芋を掘っている時間は短い
- 下を向いている
- 靴や洋服が汚れる
サツマイモやジャガイモの畑に行って、どんどん芋を掘っていきます。ほとんど一斉です。しかも、掘っていいサツマイモの数は、一人一つだったり、ツル一つずつだったり、小さなエリアが決められていたりします。
つまり、一人一人の芋掘りは一瞬で終わってしまいます。
さらに、芋掘りは下を向いて行いますので、顔がよく見えません。つばがついた帽子をかぶっていたら、もっと見えません。
こんな感じで、おいもほりの撮影はカメラマン泣かせです。畑の中を歩いて、膝をついて低い姿勢から撮るので、靴やズボンが汚れます。他の撮影を後に控えている場合には要注意です。
芋掘りの撮影は、こうする
- 前後の風景を撮る
- 帽子のつばを上げる
- 声掛け
- 動きやすい服装
上記で芋掘り撮影の大変さを書きましたが、ここでは解決方法を説明します。
まず、撮影に関して、「芋掘り」という瞬間ではなく、「おいもほり」というイベントとしてとらえます。つまり、集合時間から解散時間までを撮影します。
真新しい長靴を履いて、パパやママと手をつないで歩いてくる子どもを撮るところから始まり、畑入っていくところや、出ていくところ、自分で掘ったお芋を満足げに眺めているところなどを撮ります。
帽子のつばは、あらかじめ上げておいてもらいます。掘っている間に下がってしまうこともありますが、それでも最初に上げてもらう方がいいです。
そして、ここがポイントなのですが、声掛けです。「おいもほり」で一番欲しい絵(写真)は何でしょうか?「こんな大きいサツマイモが掘れたよ~」って感じで、自分が掘った芋を持っている瞬間ですよね。
私の場合、「おいもが掘れた人は、教えてください~」って言います。そうすると、あっちこっちから「掘れた!」って声がかかりますので、片っ端から撮っていきます。
ある程度撮れて来たら、「まだ撮っていない人は、誰ですか?」って聞くと、たいていの場合で子供たちや親御さんが教えてくれるので、そちらも撮っていきます。
こんな感じで、結構な方を網羅できます。ただいま撮影中!って言う感じも出せるので、次がいてもせかされにくくなります。(もちろん、手早く撮影を済ませますが)
上記の撮影を行うためには、畑の中を歩き回って、しゃがんで、子どもたちと同じ目線で写真を撮ります。歩く→しゃがむ→写真を撮る→立つ→歩く。これを繰り返しますので、結構疲れます。ですから、動きやすい服装で撮影に臨みましょう。
都市部と地方での違い
- お散歩のついでに
- 観光バスで終日旅行
私の場合、祖父祖母の家は父方も母方も農家だったので、芋掘りは特別なイベントではなく、日常の風景でした。いま住んでいるところも、都市部というよりは、若干地方です。
おいもほりは幼稚園保育園の人気イベントの一つですが、園が畑を持っていたり、近所の農家の方に協力を頂いている場合が多いです。
つまり、おいもほりは、日常の延長で、お散歩と同じような距離を歩いて、おいもほりをして、すぐに帰ってきます。も持ち物、自分が掘ったおいもを入れる袋と水筒くらいです。
一方、都心部のお芋掘りは全然違います。近所に畑がないので、観光バスに乗っていきます。ちょっとした遠足気分です。
ある程度の人数を受け入れてくれて、観光バスも止められる、「おいもほり」農場や農園に行きます。埼玉県や神奈川県に出かけることもあります。
この場合、お弁当も持って行きますので、観光バスでの終日旅行となります。都会の子どもたちにとっては、お芋掘りは非日常の特別なイベントになっているようですね。
最後に
いかがでしたか?一眼レフカメラを持っていたり、写真が趣味だったりすると、子ども会のイベントとかで芋掘りの撮影を頼まれるかも知れませんが、結構大変です。
プロカメラマンの方でも、お芋掘りはこんな感じで、撮りやすいようで、撮れる時間が短いことを考慮して頂けると、いい写真が撮れると思います。参考にして頂けると嬉しいです。
普段はゲームばかりしている子どもでも、泥だらけで夢中になって芋掘りをしている姿を見ていると、やっぱり自然と触れ合うことは大事なんだなあ、と実感します。おいもほりイベントが将来的にも続いてもらって、ご家族のいい思い出になるといいなあと思っております。