猫 レオ

こんにちは、フォトグラファーhayatobellです(カメラマンからフォトグラファーに変えました)。学校写真を10年ほど撮影し、その間にたくさんの子供たちを撮影してきました。

その中で、親御さんが撮影する様子もたくさん拝見したのですが、こうすればもっとよく撮れるのに・・・という場面も多々ありました。

今回は3回目。前回に続いて、基本的なところから紹介していきます。今回の内容を考慮していただければ、ピンボケやブレを防いだシャープな写真が撮れるようになります。

子ども写真を自分で撮った方がいい理由は、こちら。

ピントは、近い方の目に合わせる

猫 レオ

撮った写真がいい写真になるかのポイントとして、「主題がはっきりしているか」があります。

主題をはっきりさせる方法の一つはピント合わせです。人は、ピントが合った部分に目が行くので、これによって主題を明確にすることができます。

人が人を見るとき、通常は顔に目が行きます。顔の中でも目です。だから、目にピントを合わせます。

両目あるうちで、近い方の目に合わせます。単焦点レンズなど明るいレンズを使った場合には、この辺りのピント合わせもシビアになってきますが、まずは顔に合わせることを注意していきましょう。

測距点を自動にしない

実際の撮影で、カメラはどこにピントを合わせるのか?ピントを合わせる点を測距点(フォーカスポイント)と言いますが、ほとんどの方は、カメラ任せのオートになっていると思います。

これを自動から、マニュアルにします。iPhoneでしたら顔の部分をタップすることで、そこにピントが合うようになります。

顔認識機能もありますが、多くのケースで、距離的に一番近いものにピントが合うようになっています。

瞳フォーカス搭載のカメラを使う

CANON EOS R5 瞳フォーカス
キャノンHPから引用

Canon EOS R5/R6のような最近のミラーレスのすごいところの一つに、瞳フォーカスがあります。(ソニーはこの技術ではさらに進んでいるようですが、私はソニーユーザではないので、詳しい説明は割愛します)

上記で、ピントは目に合わせる。と書きましたが、これを自動でやってくれます。YouTubeなどにアップされた評価動画を見ても、瞳フォーカスの精度はかなり高いようです。

コンパクトカメラに比べて、値段的にはかなり高くなりますが、瞳フォーカス搭載のカメラを使うの良いでしょう。

ワンショットとサーボを使い分ける

猫 寝ている

・ワンショット

・サーボ(追従)

ピント合わせには、大きく分けて、二つのモードがあります。

ワンショットは、一度ピントを合わせたら、その位置で固定しますが、その分、ピント合わせの精度が上がります。

サーボは、一度ピントを合わせた後も、子どもなど被写体の動きに合わせてピント合わせを追従してくれます。しかしながら、ピント合わせの精度はワンショットほどは高くありません。

プロカメラマンの現場では、ピント合わせの精度を優先するときはワンショットを使い、追従を優先してピントが外れにくいようにする場合はサーボを使います。

猫 寝ている ピントずれ

カメラの性能にもよりますが、最初はサーボを使った方がいいでしょう。大事な写真でピントを外してしまうよりも、写真が撮れている方がいいと思いますので。

親指フォーカスを使う

カメラ設定 親指フォーカス

ピント合わせを行うタイミングは、デフォルト(初期設定)ではシャッター半押しの瞬間になっていることが多いです。

つまり、シャッターを切る直前(半押し)でピントを合わせて、そのままシャッターを切れるようになっています。

これはこれでOKなのですが、端っこ過ぎて測距点を設定できない場合や、この状態で何枚か写真を撮りたい場合に不便です。

このように、ピント合わせとシャッターを別々に設定したい場合には、親指ボタンにピント合わせを設定しておくと便利です。デジタル一眼やフルサイズミラーレス一眼なら設定できるので、マニュアルを確認してみましょう。

ピント合わせ後の動きに注意する

親指フォーカスで、ワンショットを使うと、測距点を自由に決めて撮影できるため、主題を明確にすることができます。

しかし、ここで注意が必要なのは、ピント合わせにカメラと被写体との距離が変わってしまうことです。この主な原因は二つ。

  • シャッターを切る瞬間にカメラが動いてしまう
  • ピント合わせ後に被写体が動いてしまう

前者は、両手でカメラをきちんと固定していれば大丈夫ですが、これがちゃんとできるようになるためには、ある程度の練習は必要です。

後者は、子ども撮影ではあるあるです。近い方の目で合わせて、「じゃあ撮るよ!」とシャッターを切った瞬間に、元気よくピースサインをしながら、前のめりになってくる。

こうなると、カメラと被写体の距離も変わってきますよね。せっかく高いレンズを購入して、絞りとF1.2とかで撮影しても、単なるピンボケ写真になってしまいます。

こうならないためには、ある程度絞りこんでおくか、サーボにする方法がありますが、最初のうちはサーボにすることがいいでしょう。(初心者の方には、絞り優先ではなく、シャッター優先をおすすめしておりますので)

サーボは、カメラ性能をどこまで信用できるか確認しておく

りな 誕生会
ピントが人物ではなく、手前のイチゴに合ってしまった例

上記で、サーボで撮影するのをおすすめしましたが、このときに確認した方がいいのが、サーボでのピント合わせの精度です。

ピント合わせの精度は、ワンショットのほうが高いですが、サーボでは、どのくらいまで許容できるのか?

  • 屋外の明るいところではOK?
  • 明るい室内ではOK?
  • 暗い室内ではOK?
  • 動きの早い/遅いは、どのくらいまでOK?
  • 前に障害物があった場合には?
  • 洋服によって違いがある?
  • 目が開いている/閉じている?

など、考えればキリがないかも知れませんが、なんかピントが合っていない気がすると思ったときには、上記のようなこを気にかけてみましょう。

撮影直後に写真を拡大して、ピントがあっているか、確認する

カメラ 画像を拡大して確認

プロの現場では当たり前なのですが、撮影した写真がちゃんと撮れているか、確認をすることが大事です。

カメラの性能が上がっていることは確かですが、完全ではありません。顔や目にピントがあっているか、拡大して確認する癖をつけましょう。

どうしても失敗したくない写真では?

運動会の園児ダンス

卒業式、入学式、運動会、発表会、誕生会など、イベント撮影で撮影のタイミングを自分を決めることが難しい撮影の場合の失敗しにくい撮影方法の一つとして、絞りこんで撮影することがあります。

通常は、開放に近い絞り(F2.8からF5.6)であっても、これを絞り込んでF8とか、場合によってはそれ以上にします。

これをするには、シャッター優先では難しいので、マニュアル設定が必要になりますが、頭の片隅に入れておくと、いざというときに役に立つと思います。

最後に

猫 レオ

いかがでしたか?カメラの性能が上がってきたので、昔のようにピンボケ写真になることは少なくなってきたと思います。

しかしながら、ピント合わせについては、思うようにできていない方も多いのではないでしょうか?

前回までの内容と、今回のピント合わせを注意していただけると、写真の質がぐっと底上げされると思います。

ひょっとしたら、今までは連射で何十枚、何百枚撮って、その中でチャンピオンデータのみを採用していたかも知れません。全体が底上げされると、これがチャンピオンデータが基準になって、その先の面白い写真にチャレンジできるようになるでしょう。

「あっ!この瞬間残したい!!」と思ったときに確実に撮れるように基本的なところもしっかりと見直しておきましょう。