こんにちは、カメラマンhayatobellです。学校写真を10年ほど撮影しております。
一眼レフに慣れてきた人が犯す14の間違いこれ、とても勉強になりました。また、この記事を受けて、違った切り口でのyoutube「#192 【雑談】一眼レフに慣れてきた時にやりがちな12の間違い」も参考になります。
あぁ、自分もこんな道通ったなあ、と思うものから、今でもやってしまいがちな所があり、自分の戒めるためにも紹介させていただきました。
「一眼レフに慣れてきた人が犯す14の間違い」と「#192 【雑談】一眼レフに慣れてきた時にやりがちな12の間違い」から、学校写真に関連性が高いものを5つずつピックアップさせていただき、これに自分なりの切り口で5つ追加させて頂きました。
- ストロボ直射を嫌う
- APS-Cレンズや18-200mmのような万能レンズを見下す
- レンズ交換にこだわりすぎてシャッターチャンスを逃す
- 手ぶれは気にするが、被写体ブレは気にしない。
- ISO感度に余裕がない
- 斜め写真を多用する
- RAWで撮っておけば、何とかなると思う
- 何でも開放で撮る
- 高画素信者
- レタッチを否定する
- 連写を多用する
- 他の業者の邪魔をする、もしくは態度がでかくなる
- 撮影時間がかかりすぎる
- 現場に不釣り合いな高価な機材を使ってしまう
- 三脚やレリーズスイッチを使わない
まずは、「一眼レフに慣れてきた人が犯す14の間違い」から5つ紹介しつつ、自分の考察を書きます。
ストロボ直射を嫌う
これ、いつも迷う所なのですが、ストロボ直射をできるだけ避けようとする。特に縦位置で撮影すると、影が目立ちすぎてしまう。何より、バウンスにする方がプロっぽい??でも、バウンスをするためには、バウンスさせる壁や天井など必要な条件があります。
学校写真の場合、子どもの顔の露出や色が適正にでていることが絶対条件です。これを考えると、直射が一番安全だと思います。ただし、ストロボの光量は撮影条件に応じて変更させたり、シャッタースピードをコントロールしたり、背景に気を遣ったり、ディフューザーを使うなど工夫が必要な場合もあります。
学校写真の場合、まずは直射できちんと撮れるようになることが必要だと思います。
APS-Cレンズや18-200mmのような万能レンズを見下す
学校写真では、APS-Cレンズや18-200mmのような便利ズームの出番は多いです。例えば、授業風景の撮影をする場合、持ち物は必要最低限にして、撮影する必要があります。決定的瞬間が近くで起こるのか、遠くで起こるのか分かりません。
保育園や幼稚園での撮影でも同様です。何台もカメラを持っていると、子どもにぶつかってしまう可能性もあるし、どこかに置いておいても、いたずらされてしまう場合もあります。
画質は大事ですが、便利ズームを上手に使うことも必要な場合もあります。
レンズ交換にこだわりすぎてシャッターチャンスを逃す
上記と似ていますが、写真の決定的瞬間は一瞬です。発表会など、ある程度は打ち合わせをしていますが、子どものことなので、何が起こるか分かりません。
レンズ交換に手間取って決定的瞬間を逃すよりは、カメラを2台用意するか、便利ズームを使って、思い出を確実に写真に残す方が喜ばれるでしょう。
手ぶれは気にするが、被写体ブレは気にしない
最近のカメラやレンズの手振れ補正は優秀なので、かなりシャッタースピードを落とすことができます。
でも、子どもはじっとしていてくれません。被写体ぶれには気を付けたいところです。シャッターを切る瞬間に止まってくれるようなポーズを工夫しましょう。
ISO感度に余裕がない
自分のカメラにおけるISO感度の限界は意識していますが、現場によっては、どうにもならない場合があります。
例えば合唱コンクール。ストロボも使えない状況で、露出を確保するためには、シャッタースピードを落とすか、絞りを開ける。でも、どちらも限界値まで来ていたら、ISO感度を上げてしまうことも必要だと思う。
「#192 【雑談】一眼レフに慣れてきた時にやりがちな12の間違い 」から
次は「#192 【雑談】一眼レフに慣れてきた時にやりがちな12の間違い」からです。こちらは、普段から勉強させて頂いている動画です。
斜め写真を多用する
初めて斜め写真をみたときは、すごい!と思いました。その人はスマホで撮っていたのですが、センスが良かったんですね。
でも学校写真では、ただ単に失敗写真に見えてしまいます。修学旅行の写真が学校の廊下に掲示されているとき、自分の写真だけ斜めになっていたら、どう思いますか?変ですよね?でも、みんなの写真が斜めになっていたらどうですか?もっと変ですよね?
ということで、学校写真の場合は、撮影意図がはっきりとした写真以外は使わない方が無難だと思います。
RAWで撮っておけば、何とかなると思う
RAWで撮っても、何ともならない写真もあります。というか、後で何とかすることを前提に写真をとるのはプロとしては失格だと思います。
学校写真の場合、RAWで撮影するのは集合写真の抑えです。スナップ写真はMサイズで撮影して、Lサイズも使わないことが多いです。
これは、撮影後の処理に負担をかけないためです。写真データのサイズが大きくなると、後処理の方が大変になってしまうからです。
何でも開放で撮る
これ、いいレンズを購入したときにやってしまいがちですが、学校写真ではNGのケースが多いです。
理由としては、複数で撮影することが多いからです。手前の子どもにはピントが合っているけど、となりの子どもはボケている。こんな写真を隣の子の親御さんが見たら、どうおもいますか?ちょっと残念ですよね。
ですから、絞り込んで撮ることが多いです。また、自分が撮ろうと思ったタイミングから少しずれた場合でのリスクに備えて、少し絞り込んだ写真の方が後々使いやすい場合が多いです。
高画素信者
高画素のカメラが活躍する場面もあります。学年の全体写真を学校の屋上で撮る場合などです。
でも、ほとんどのケースでは、「RAWで撮っておけば、何とかなると思う」で書いたようにMサイズしか使いません。せっかくの高画質ですが、データが重すぎるので、サイズを落として撮影することがあります。
そして、学校写真だと撮影枚数が多いので、高画素のカメラを活かせないままシャッターの寿命が来てしまうこともあります。プロの現場では元をとれない設備投資は意味がなくなってしまいます。
レタッチを否定する
レタッチなしで、そのまま使える写真がとれればベストですが、現場によってはそれが難しい場合もあります。
卒業アルバムでは、ニコン、キャノン、ソニーなど様々なカメラ会社のデータを使いますので、色味を合わせる必要があります。ですので、レタッチはどうしても必要になってきます。
私なりの切り口を5つ
最後は、私なりの切り口を5つ追加します。主に学校写真を撮影する上で、気になった点を紹介します。
連写を多用する
最新のカメラを購入すると、必ずといっていいほど従来機よりも連写性能が上がっています。そうすると、連写を多用したくなりますが、ここはぐっと我慢です。
学校写真で連写が必要なのは、運動会のシーンでゴールテープを切る瞬間くらいです。この瞬間でも、連写の間と間にいいシーンが入ってしまう場合もあるので、自分のタイミングでシャッターを切った方がいい場合もあります。オリンピック選手の撮影なら話は別ですが、学校写真では、ある程度自分でシャッターを切る瞬間をコントロールすることが必要だと思います。
似たような写真が多くなりすぎると、後で整理するのが大変だし、少なすぎると後で困ってしまいます。現場やイベントで適正な枚数を確保するのが大事だと思います。
他の業者の邪魔をする、もしくは態度がでかくなる
高校の撮影だと、学年ごとに写真業者が違ってくる場合があります。その際に、変な位置で撮影をしていたり、他の業者に対する態度がでかくなってしまう場合があります。
自分の方がいい写真を撮りたい!という気持ちもあるかもしれませんが、瞬間瞬間で、何を優先するかは違ってきます。前もって挨拶をしたり、撮影内容や撮影場所を打ち合わせするなど、業者同志での話し合いが必要な場合もあります。
撮影時間がかかりすぎる
いい写真を撮りたいのは分かりますが、学校写真の場合は撮影対象の子どもたちが多いので、テキパキを撮影をこなす必要があります。
特に、小さい子どもに対して指示が多すぎても、飽きてきて表情が硬くなってしまうことが多いです。結局は一枚目の写真が一番良かった!なんてケースもあります。
あと、京都や日光などの観光地では、同じ場所でたくさんの人が撮影します。できるだけ早めに撮影し、終わったら「お待たせしました」「どうぞ」といった挨拶をするのがいいと思います。
現場に不釣り合いな高価な機材を使ってしまう
学校写真は、荷物を持ったまま移動したり、そのまま撮影することが多いです。そのため、カメラバッグはリュックタイプを使う人が圧倒的に多い。
こんな中で、フラグシップ機を持っていたり、大三元レンズを持っているのはかなり重い。その分いい写真は撮れるけど、自分の体力や健康のことを考えるのも大事だと思います。
あと、これが一番大事だと思いますが、その機材、ギャラできちんともとがとれていますか?先行投資もいいですが、先行しすぎるのも問題だと思います。
三脚やレリーズスイッチを使わない
集合写真は基本的に三脚やレリーズスイッチを使う方がいいと思います。幼稚園や保育園などの小さな子どもを撮る場合は、早めに撮った方がいいので、使わないこともありますが、卒業アルバム用などの撮影では使います。
三脚を使うと、フレーミングが丁寧にできて、同じフレーミングで複数の写真が撮れます。シャッタースピードも被写体ぶれしない範囲で落とすことができます。
レリーズスイッチを使うと、生徒さんに特別感を演出することができ、集合写真の撮影がスムーズに進むことがあります。あと、シャッターを切る瞬間まで被写体を見ていることができますので、失敗が少なくなります。
最後に
いかがでしたか?プロとして写真撮影をすると、現場現場で臨機応変な撮影をしながら、結果を出すことが求められます。その中で、何を優先して、何を削るのか日々迷うところであり、この部分は先輩方のご意見を参考にしたいと思っております。
アマチュア時代の方が、自分の撮りたい写真を撮りたいように撮れて、しかも瞬間最大風速で撮れたベストショットだけを見せることができて、楽しかったなあ、と思うこともあります。
アマチュアの人は自分のベストショットを見せるけど、プロはどんな状況でも最低限この品質を担保できるという写真を見せる、と私は思っています。ただし、作品撮りや作家活動ではこの限りではありません。
自分も気をつけつつ、2020年の写真撮影を行っていきたいと思います。